花々のよもやま話

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help リーダーに追加 RSS キョウチクトウ (夾竹桃)

<<   作成日時 : 2008/07/29 06:52   >>

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病院へ通っている道路際に植えられているキョウチクトウ(夾竹桃)、夏の青空に溶け込む様に桃色の花を咲かせていた。

眺めて見ると、薄く透き通る紙のような桃色の花を咲かせデリケートで可愛い。でも、綺麗なものには毒があるの喩えの通り、その姿とは裏腹に毒を含む植物なのだ。

画像スペインでのキョウチクトウ(夾竹桃)にまつわる伝説にはこの様な話がある。

貧しいながら母娘は、屋根裏部屋で仲良く暮らしていた。娘が病に倒れ母親は、必死に聖ヨセフに祈りながら看護をする。すると、屋根裏部屋が明るく輝き聖ヨセフが現れベットで寝ている娘の胸にキョウチクトウ(夾竹桃)の花の付いた小枝を置いた。すると娘の病が回復し元気になり、その後キョウチクトウ(夾竹桃)は、聖ヨセフの花となったという。

画像キョウチクトウ(夾竹桃)の名前は、葉が竹の葉のように細く、花が桃の花に似ているところからに由来する。

きょうちくとう科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木である。学名は「Nerium indicum」であるが、属名の「Nerium(ネリウム)」は、ギリシャ語の「neros(湿った)」が語源で、この属の植物は湿地によく育つところからに由来する。種名の「indicum」は「インドの」を意味している。

インドが原産。インド北部の河原に生えおり、 乾燥、洪水、猛暑、寒風に鍛えられていた。日本へはインドより中国を経て江戸時代中期に伝来したという。江戸時代から広く庭園に植えられた。日本では暖かい地域の方が育ちがよい。 乾燥や大気汚染に強いため道路沿いの並木や公園樹などに利用される。神奈川県川崎市では、長年の公害で他の樹木が衰えたり枯死したりする中でキョウチクトウ(夾竹桃)だけはよく耐えて生育したため、現在に至るまで同市の緑化樹として広く植栽されている。また高速道路沿いにもよく見られる。

画像樹高は3〜4mくらい。幹はほとんど枝分かれせず、根元から株立ちして立ち上がる。中国名の夾竹桃を音読みにしたものが和名となっている。竹の字が入っているが、葉はやや薄いものの、ササ(笹)の葉のイメージがなくもない。葉は長楕円形で両端が尖った形をしている。やや薄くて固い。葉の裏面には細かい窪みがあり、気孔はその内側に開く。

花はおよそ6月より残暑の頃である9月頃まで長い期間咲き続ける。花弁は基部が筒状、その先端で平らに開いて5弁に分かれ、それぞれがややプロペラ状に曲がる。日本では適切な花粉媒介者がいなかったり挿し木で繁殖したクローンばかりということもあって受粉に成功して果実が実ることはあまりないが、ごくまれに果実が実る。

果実は細長い角状で熟すると縦に割れ、中からは長い褐色の綿毛を持った種子が出てくる。ピンク、黄色、白など多数の園芸品種があり、八重咲き種もある。

画像キョウチクトウ(夾竹桃)は優れた園芸植物ではあるが毒性が強く、取り扱いには十分注意が必要である。中毒症状としては疝痛、下痢、頻脈、運動失調、食欲不振などがある。花、葉、枝、根、果実すべての部分に毒性がある。燃した煙も毒があるという。

食中毒にまつわるこのような話がある。
紀元前4世紀、ギリシャのアレクサンドロス3世、通称アレキサンダー大王がインド遠征の折に追従したセレウコス1世率いる軍の1小隊30人程がキョウチクトウ(夾竹桃)を串焼き肉の串として利用し、中毒症で全滅している。 また、19世紀初頭。ナポレオン指揮下のフランス軍がマドリード侵攻中に、隊内で将兵7名が死亡し、4名が重態に陥るという事件が発生した。驚いた軍が調査にあたると、これら11名は肉を焼いて食べる際、キョウチクトウ(夾竹桃)の茎を使いったことが判明した。敵軍の仕業ではなく、キョウチクトウ(夾竹桃)が原因の惨事だった。同様の事件は日本でも起こっている。西南の役でのこと、官軍の兵士たちがキョウチクトウ(夾竹桃)の茎を箸代わりに使い中毒を引き起こしたという。

画像広島で枝を箸代わりに利用し死亡者が出ている。尚、広島市はキョウチクトウ(夾竹桃)を市の花に指定しているが、学校ではキョウチクトウ(夾竹桃)の毒性についてほとんど教育がなされていない。 また、オーストラリアで近所の数家族がバーベキューの串に使用し11人中10人が死亡、残る1人も意識不明の重篤後に命をとりとめたが、重度の神経障害と失明を残している。それに、家畜がキョウチクトウ(夾竹桃)を食べることで中毒症が問題になっている。

イタリアやギリシャでは、葬式の花だそうでポインペンの廃墟にキョウチクトウ(夾竹桃)が咲き乱れているそうだ。

キョウチクトウ(夾竹桃)を詠んだ俳句を1首
「病人に 夾竹桃の 赤きこと」 高浜虚子

薄く透き通る紙のような花を咲かせデリケートで可愛い。でもその姿とは、裏腹に毒を含む植物である。花言葉の注意、危険は、ここから来ているのだろう。

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