花々のよもやま話

アクセスカウンタ

zoom RSS ナズナ ( 薺 )

<<   作成日時 : 2013/11/05 00:00   >>

ナイス ブログ気持玉 6 / トラックバック 0 / コメント 0

もうすっかり秋の気配、近くの公園では、雑草はもう今から春の準備を始めている。

ホトケノザ(仏の座)が咲くすぐ傍で、ナズナ(薺)が、放射状に広げた葉を地面に撫で付けるように、白い米粒より小さい花をまばらにつけ芽吹き始めている。

よく見て見ないと分からないようなマクロの世界の小ささだ。これでは通り過ぎてもしょうがないだろう。

画像ナズナ(薺)の名前の由来は、切り刻むという意味の「ナズ」に、菜が付いて、ナズナ(薺)になったという説、春や秋、冬には生えているが、夏には生えて無いという意味から転訛して、ナズナ(薺)になったとう説、撫でたいほど可愛い花という「愛でる草」を意味する「撫菜」から転訛して、ナズナ(薺)になったという説など諸説がある。

また、別名では、果実が平たい三角形をしていて、その形が三味線の撥に似ていることからシャミセングサ(三味線草)、風に揺れたときの音からペンペングサ(ぺんぺん草)という呼び名もある。

あぶらな科ナズナ属の越年草で、学名は「Capsella bursa-pastoris」である。属名の「Capsella」は、ラテン語で、小さな葉箱、小さな袋が語源で、おそらく果実の形からきているのだろう。種名の「bursa-pastoris」は、「bursa」が「かくしポケットまたは嚢(のう)」と、「pastoris」は、「牧畜に適した、あるいは牧者、牧師」という意味である。推測であるが、牧畜に携わる人の何かの入れ物か財布と、果実の形が似ているということだと思う。学名をつけた人は、果実の形に注目しているようで面白い。

画像西アジアが原産で、日本へはムギ(麦)が伝えられた時に、その種子とともに、日本に渡来した史前帰化植物と呼ばれる植物の一つである。日本の各地に分布し、田畑や道端、荒れ地などに生えており、広く見られるが、人里を離れると見られなくなる。

草丈は、10cmから大きいもので40cmくらいまでになる。茎は真っ直ぐに直立し、枝分れしている。秋に芽生えたものは、根生葉をロゼット状に広げて越冬する。この根生葉の形が、ちょっと掴みどころがないのだが、多くの場合、羽状に深く裂けた形になっていいる。この形は時期や個体により色々と変化するので、なかなか微妙なものである。

芽生えて初めのころに出る葉は、余り切れ込んでいない個体でも、徐々に切れ込みのある根生葉を出すものもあれば、比較的最初から切れ込みが深いものもあるようである。また、春が近づいて暖かくなって茎が上に伸び始めるころには、逆に切れ込みが少ない葉が出てきたりする。更に、伸びてきた茎につく葉は、ほとんど裂けなくなる。

画像開花時期は3月〜6月ころに、茎を伸ばして白色十字花を多数花穂につける。花弁は倒したような卵の形で爪があり直径は2〜3mmぐらいである。

この小さい花が終わった後には、花序は長く伸びて独特の果実ができる。果実は逆さにした三角形の平べったいもので、先端は少し凹んでいる。長さは6〜7mm。幅は5〜6mm、柄は細長く長さ12〜20mm。このように短い果実を「短角果」という。これに対して、「アブラナ(油菜)」などの果実は長くて「長角果」という。果実の中には、小粒の種子が多数入っている。

ナズナ(薺)は、春の七草の1ツとしてよく知られている繁殖力が旺盛な雑草の1ツだが、古く平安時代から邪気を祓い、万病をさけるという、七草粥に入れて食べる風習にはかかせないものである。

画像話はかわりナズナ(薺)に関わる京都府や滋賀県に伝わる伝説 「大事なぺんぺん草」
元文5(1740)年の3月7日のこと。京都と滋賀の県境にある比叡山のお堂の修理をする大工達を監督するために数人の役人が家来達を連れてやってきた。1日の仕事を終えて夕食後の8時頃に、兵左衛門という名前の役人の家来が突然姿を消した。仲間達は雨の中を探し、修理中のお堂の屋根の上に、骨だけになった傘をさして立ったまま動かない兵左衛門を見つけ、梯子をかけて下ろした。兵左衛門は眠り続け、4日目の朝に目を覚まし話し始めた。

「名前を呼ばれたので、玄関の前に行くと小さい坊主がいた。手招きするのでついて行くと、乱れた髪を地面まで垂らした男に屋根の上に連れて行かれた。すると、赤い衣を着た大男が、丸い盆のようなものに俺と坊主を乗せた。俺達は空を飛んで、何処だか分からない秋葉山や妙義山や鹿島などを10日あまり見物して帰ってきた。

今度は、白髪を地面に垂らして引きずっている老人が、金銀、小判を土産にくれるといったが、比叡山に900年も住んでいるという老人が出てきて、「これだけの宝があれば一生楽に暮らせるが、お前の2人のおばの命は短くなる」というので、貰うをやめた。その代わりに、長生きができるという薬草を、貰って帰ってきたと思ったら、こうして目が覚めたんだ。」

仲間達は、兵左衛門が夢を見ていたのだろうと笑った。すると、兵左衛門は、「夢ではない。その証拠に老人から土産にもらった薬草がある。」といって、肌着の下から大事そうに1本の草を取り出したが、それは何処の道端にも生えているぺんぺん草だった。

画像春の若葉は食用になり、茹でてお浸し、和え物、汁の実などにする。また、生のまま薄くころもを付けて、天婦羅にしたりする。種子はマスタードの代用になる。また、止血や止瀉の効果があるとされている。第1次世界大戦当時、ドイツ製の止血剤が入手できなくなったイギリス軍は、ナズナ(薺)の抽出液を使って怪我人の手当をしたそうだ。

ナズナ(薺)に関わる慣用句が幾つかある。
「ぺんぺん草が生える」は、ナズナ(薺)が荒れ果てたであっても生育することから、荒れ果てた様子を指している。また、「ぺんぺん草も生えない」は、荒れ果てた場所で育つナズナ(薺)でさえも生育しない様子から転じて何も残っていない状態、一切合財が残らない状態を揶揄した表現で、「○○が通った後はぺんぺん草も生えない」のように用いる。

ナズナ(薺)を詠んだ俳句
「妹が垣根 三味線草の 花咲きぬ」 与謝蕪村
「よく見れば なずな花咲く 垣根かな」 松尾芭蕉
「一とせに 一度摘まるる 薺かな」 松尾芭蕉

花言葉は、全てを君に捧げるである。

ポストカード
画像

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 6
ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ナズナ ( 薺 ) 花々のよもやま話/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる