フヨウ (芙 蓉)

昨日、梅雨が明けて、東京は空梅雨だった。これから暑い毎日が続く。

フヨウ(芙蓉)が、近くの中学校にある花壇では1~2輪が咲きだしていた。

暑い夏、7月~8月の陽ざかりに咲く花である。

かーっと、照り付ける太陽に向かい咲くヒマワリ(向日葵)と比べられるが、花の色が淡い桃色のフヨウ(芙蓉)や大輪の花を咲かせるアメリカフヨウ(亜米利加芙蓉)をみると、何か暑苦しい感じがしない。

画像フヨウ(芙蓉)の名前は、漢名の1ツ「(フヨウ)芙蓉」が和音読みからに由来する。

あおい科フヨウ(ハイビスカス)属の落葉低木である。学名は「Hibiscus mutabilis」であるが、属名の「Hibiscus」はフヨウ(ハイビスカス)属の属名。種名の「mutabilis」は「変わりやすい、不安定な」を意味している。

中国が原産で、日本では四国や九州の南部、沖縄などの暖地の海岸に近い地域に自生しているのが見られる。高さは2~4m位。全体に白い星状毛が生えていて、樹形は株立ち状になる。葉は互い違い生え、長さは10~20cm、掌状に浅く裂けて、縁にはあまり鋭くない鈍いギザギザの鋸歯がある。葉柄も長くて5~20cm。

開花時期は7月下旬~10月上旬。茎の上部の葉の脇に淡い桃紅色の花をつける。朝咲いて夕方にはしぼむ1日花で、長期間にわたって毎日次々と開花し、直径10cm以上の大きめの花である。花は他のハイビスカス属と同様な形態で、花弁は5枚で回旋し椀状に広がる。花の中央から伸びているブラシのような形のものは、雄蕊や雌蕊が集まったもので、この仲間のふよう属の特徴となっている。多くの雄蕊が合着して筒状になる。更に雌蕊とも合着して筒状になった雄蕊の先から雌蕊が突き出ている。

画像8重咲きの品種に「スイフヨウ (酔芙蓉)」というのがある。この品種は花の色が、朝開いたときは白色だが、昼過ぎにはピンク色となって、夕方には紅色に変化していく。この色の変化を酒に酔った人の顔色に喩えてそう呼ばれている。夏の午前中には、咲いている花は白なのに、萎んでいるのは赤いという場面に出会うことがあると思う。

枝先には裂開した果実が残り、上向きについている。その姿には1種独特の雰囲気がある。枯れた後の姿も印象的なので、「枯れ(フヨウ)芙蓉」とも呼ばれて、観賞の対象にもなっている。果実は直径2.5cmほどの球形。熟すと5ツに裂ける。カサカサとした果実の中には沢山の種子ができる。種子は淡褐色の毛に覆われている。同属の「ムクゲ(槿)」とよく似ているが、フヨウ(芙蓉)の果実には長い毛が多いのに対して、ムクゲ(槿)の方は細かい毛が少し生えているくらい。果実の大きさもフヨウ(芙蓉)の方が大きめ。

画像話は変わって中国のフヨウ(芙蓉)にまつわる民話。
昔、成都に蓉家村という大きな村があった。村には静かな川が流れていた。その村には美しくて気立てのよい芙蓉(フーロン)という少女がいた。芙蓉の家の隣には虎子(フーズ)という少年がいて、芙蓉は兄のように慕っていた。

ある朝、芙蓉が川で米を砥いでいると、金魚が「とてもお腹が空いているので何か食べる物が欲しい。」といった。芙蓉は金魚のために米粒を川に撒いてやった。年月が流れ、芙蓉は美しい娘に、虎子は逞しい働き手に成長し、2人は婚約した。

画像秋の結婚式前日の朝、芙蓉が川へ米を砥ぎに行くと金魚が近付いて来て、芙蓉にいった。「妖竜が海に行くので、明日の夜、この辺りを通る時に、生き物は妖竜に食べられ、田畑や家々は洪水に流されてしまうだろう。あなただけは鳳凰山に行って、鳳凰のお婆さんに助けて貰いなさい。他の人に話してはいけない。妖竜が来た時に食べ物がなかったら私達が酷い目に遭わされる。」芙蓉は黙っていることが出来ずに、皆を鳳凰山へ避難させた。芙蓉は妖竜が自分を許さないだろうと覚悟して虎子に別れを告げた。併し、虎子は芙蓉のために妖竜と戦うことにした。虎子と妖竜との戦いは夜明けまで続き、妖竜は死んだが、芙蓉と虎子の姿は見えなかった。

洪水が引いた時、村人達は芙蓉の遺体と死んだ金魚と虎子の鋤を見つけた。村人達は虎子の鋤で岸辺に墓を掘り、芙蓉と金魚を葬った。そして勇敢に戦った虎子を偲んで村を流れる川を虎河と呼ぶことにした。翌年の春、岸辺の芙蓉の墓に1本の木が生え、秋になると美しい花が沢山咲いた。この花は、薄紅色の花びらに真っ白な筋が入っていた。人々は、この花の白は芙蓉の純潔を、赤は芙蓉の熱情を示していると思い、この花をフヨウ(芙蓉)と呼ぶことにした。

画像また、中国の成都に残るフヨウ(芙蓉)にまつわる伝説。
昔、後蜀の2代皇帝の後主昶(こうしゅちょう)は、文学や芸術を好み、フヨウ(芙蓉)の花をとても愛していた。後主昶は居城の周囲に巡らせた城壁40里(160km)に渡りフヨウ(芙蓉)を植え、秋になると、まるで錦で飾ったように(フヨウ)芙蓉の花で埋め尽くされた。後主昶は数千人の美女達とともにその花の美しさを褒め称え、群臣達に向かって「これが真の錦城である」と言った。蜀は、字が示すように古くから蚕の産地で、絹織物の一種の錦織りの盛んな所であり、この伝説から成都は錦城とも呼ばれるようになった。

中国では(フヨウ)芙蓉は、ハス(蓮)の花をさし花木の(フヨウ)芙蓉は、(モクフヨウ)木芙蓉の字をあてている。観賞用に植えられ親しまれ絵画や陶磁器、服、建物の模様に好んで描かれている。フヨウ(芙蓉)の花のように美しいしとやかな顔立ちの事を「フヨウ(芙蓉)の顔」と言う。昔から美しい女性の喩えに用いるられ、花言葉もしとやかな恋人、繊細美、微妙な美しさである。

フヨウ(芙蓉)を詠んだ俳句と和歌
「反橋の 小さく見ゆる 芙蓉かな」 夏目漱石
「草とって 芙蓉明らかに なりにけり」 河東碧梧桐
「白き芙蓉 あかき芙蓉と かさなりて 児のゆく空に 秋の雨ふる」 与謝野鉄幹

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この記事へのコメント

2009年07月15日 23:02
>大輪の花を咲かせるアメリカフヨウ(亜米利加芙蓉)

と書かれていますが、もしかして、これって人の顔を覆えるぐらい大きな花が咲く奴でしょうか?
先日びっくりするほど大きな花が咲いているのを見つけて、花の形は良くあるタイプなのに、このサイズはちょっと見たことがないなぁと思ってたところなのです。
2009年07月16日 09:48
アメリカフヨウ(亜米利加芙蓉)は、一見、ハイビスカスと間違えそうな姿形をした、真夏に咲く花です。北アメリカ原産です。
だからか分かりませんが、名前はアメリカフヨウ(亜米利加芙蓉)。多分そうなんでしょう。
草丈は1m位までになります。この花の驚くべきところは、その花の大きさです。小さくても花径は20cm、大きくなると人の顔と同じ30cmくらいになりそうな勢いです。余りにも大きくて、多少気持ち悪く感じるかも知れません。
色は淡桃色か白で、毎年花を咲かせます。白でもほんのりと淡桃色がかったところが可愛いです。

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