アヤメ (文 目)

アヤメ (文目)は湿地より乾いた場所を好んでいる。

特徴は、何といっても文目模様である。色の繊細さ、左右対称の幾何学模様、アップでよく見ると不思議な花である。ともあれ色が鮮やかで綺麗だった。

ところで、アヤメ(文目)は青紫.と思い込んでいた。白のアヤメ(文目)があることを全く知らなかった。このシロアヤメ(白文目)は、とある公園の垣根際で雑草に混じり咲いているのを撮ったものだ。

画像アヤメ(文目)の名前の由来には諸説があるが、剣のような形をした葉が繁る様子が、文目(あやめ)模様に似ているという説や、花のつけ根に網目状の模様があるからという説などと諸説がある。

昔から「いずれ あやめか 杜若」と美人の形容詞にされているように、野に咲く紫色の花は優雅で美しい花である。また、これは、アヤメ(文目)とこれに似た他の花を区別することが、一般的に難しいことをいっているのである。

画像あやめ科アヤメ属の多年草で、学名は「Iris sanguinea」である。属名の「Iris」は、ギリシア語で「虹を指す」イリスを英語読みした語にちなみ、花が虹のように美しいことに由来している。種名の「sanguinea」は、「血紅色の」を意味している。

アヤメ(文目)の総称で、植物学上ではシベリアアヤメをさしている。狭義のアヤメ(文目)は、本州や北海道、シベリアに分布しており、ハナショウブ(花菖蒲)やカキツバタ(杜若)に比べればやや地味な花をつける。湿地には適さないので、昔から庭などにも植栽されている。普通にアヤメ(文目)と言っているのは、ハナショウブ(花菖蒲)である。

アヤメは山野の草地に生える。葉は真っ直ぐに直立し高さ40~60cm程度。花は5月ごろに径8cmほどの紫色の1~3個つける。外花被片(前面に垂れ下がった花びら)には網目模様があるのが特徴で、本種の和名のもとになる。花茎は分岐しない。

画像「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす  おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし」の書き出しで描かれた、平家の栄華と没落を描いた軍記物語である「平家物語」には、次のようなアヤメ(文目)にまつわる恋の話がある。

「源三位頼政」は「アヤメ」という美しい女官に恋をした。或る日、「天皇」が頼政を試すために美人を並べて、遠くにいる「頼政」に「アヤメ」を見つけることができるか試した。「頼政」は大声で「アヤメ」の花の歌を詠み、「アヤメ」が頬を赤く染めたので愛する彼女を見つけることができたという。

また、平安時代初期の歌人「在原業平」が描いた歌物語の「伊勢物語」で、業平が「かきつばた」の五文字を詠みこんだ歌で、
「唐衣 着つつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」は、余りにも良く知られている。

ハナショウブ(花菖蒲)やカキツバタ(杜若)は、湿地や水辺をこのんで生育するが、イチハツ(一八)は日当たりのよい場所を好み、乾燥にも耐えるから庭植えに適している。

画像ところで、ショウブ(菖蒲)が出てこないと思われるであろう。万葉時代からショウブ(菖蒲)をあやめ草などとして歌に詠まれている。これらは、アヤメ(文目)の仲間ではなく、さといも科ショウブ属の仲間で、アヤメ(文目)とは無関係のものである。花は見るべき美しさはこれといって何もないが、葉や茎、根などに香りがあり、葉も美しいことから古くから親しまれている。この仲間でやや小型のセキショウ(石菖)があるが、中国では、アヤメ(文目)といえばこの植物を指している。

ショウブ(菖蒲:あやめ草)には、強い香気のあることから、この香りが邪気を払うとして、5月5日の端午の節句には風呂に入れたり、頭に巻いたり屋根の軒先にさしたりして、古くから用いられてきた。各地の水辺に普通に見られる身近な植物である。

画像アヤメ(文目)は古くから「万葉集」や「古今集」に詠われている。
「ほととぎす 厭(いと)うふ時なし あやめぐさ 縵(かつら)にせむ日 こゆ鳴き渡れ」 万葉集 読み人知らず (巻10:1955)
「古今集」では、恋一の最初にある読み人知らずの歌は有名である。
「ほととぎす 鳴くや五月の あやめ草 あやめも知らぬ 恋もするかな」 読み人しらず  (これは恋は盲目という心情を詠んだ歌である)

アヤメ(文目)を詠んだ俳句2首
「なつかしき あやめの水の 行方かな」 高浜虚子
「にさんにち むすめあづかり あやめ咲く」  室生犀星
(二、三日と書かずに平仮名を用いているところ、少々詠みにくいところなど「犀星」らしい芸の細かさがあると思える)

何れにしても、これらに詠まれているあやめ草は、アヤメ(文目)ではなくショウブ(菖蒲)である。それにしてもショウブ(菖蒲)は別として、アヤメ(文目)の仲間は美しいが、本当に区別の難しい花である。

花言葉は使者、よい便り、よい便りを待っています、消息、神秘な人、信じるものの幸福である。

ポストカード
画像



Nikon デジタル一眼レフカメラ D700 レンズキット D700LK
ニコン
2008-07-25

ユーザレビュー:
←レンズキットとして ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

ナイス ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック