カキツバタ (杜 若)

今日は子供の日で、男の子が無事に大きく育つために祝う端午の節句である。

強い香気のあることからこの香りが邪気を払うとして、5月5日の端午の節句には風呂に入れたり、頭に巻いたり屋根の軒先にさしたりして、古くから用いられてきた。

ショウブ(菖蒲)をアップしたかったが、小川の畔から水の中から伸びて顔を出している紫の花、カキツバタ(杜若)が咲いているのが目に止まった。咲く時期が6月ごろなのでカキツバタ(杜若)にしてみた。

画像カキツバタ(杜若)の名前の由来は、昔、花の汁で布を染めたので「書き付け花」となり、だんだん「かきつばた」に転訛していったらしい。「燕子花」とも書く。また、万葉集の時代には「垣津幡」「加古都幡多」などと書いた。1770年頃、ロシアのバイカル湖の近くでパラス(Pallas)氏が初めて発見したとされている。

あやめ科アヤメ(アイリス、イリス)属の湿原に生える多年草で、学名は「Iris laevigata」である。属名の「Iris(アイリス)」はギリシャ語で「虹」にちなみ、「laevigata(ラエビガタ)」は、「無毛の、平滑な、磨いた」を意味している。

湿地に群生しノハナショウブ(野花菖蒲)より、水分の多い湿地に群生しており、池の中などに生える。葉は幅広で、中央の脈が確認できないのが特徴。5月から6月にかけて紫色の花を付ける。内花被片が細く真っ直ぐに立ち、外花被片の中央部に白ないし淡黄色の斑紋があることなどを特徴としている。

画像ノハナショウブ(野花菖蒲)に似ているが花柱と葉の太さが違う。ノハナショウブ(野花菖蒲)は、比較的葉が細く、葉脈がある。これに対して、カキツバタ(杜若)は、花柱は3本真上に突き出し、葉が太めで、葉の中央の葉脈ははっきりしない。

江戸時代の前半には、すでに多くの品種が成立しており、古典園芸植物の一つでもあるが、江戸時代後半にはハナショウブ(花菖蒲)が非常に発展して、カキツバタ(杜若)はあまり注目されなかった。現代では再び品種改良が進められている。

画像漢字表記の一つ「カキツバタ(杜若)」は、本来はヤブミョウガ(藪茗荷)という別種の漢名(「とじゃく」と読む)であったが、カキツバタ(杜若)と混同されたものである。

「いずれ文目(あやめ)か 杜若(かきつばた)」はどちらも区別できない喩えである。アヤメ(文目)は乾いた土地、カキツバタ(杜若)は水の中から生えるので、2つを並べた場合は区別できそうと思える。

日本の美術や文学にも古くから取り入れられ、平安時代中期の女流作家、「清少納言」により執筆されたと伝わる随筆「枕草子」や鎌倉時代、「吉田兼好」が書いた随筆である「徒然草」の中にも見られ、江戸時代に活躍したの画家、工芸家である「尾形光琳」の「燕子花図屏風」や「八橋蒔絵螺鈿硯箱」、平安時代初期の歌人「在原業平」が描いた歌物語の「伊勢物語」で、業平東下りの「かきつばた」の五文字を詠みこんだ三河八橋(無量寿寺)の和歌は、余りにも良く知られている。

カキツバタ(杜若)が有名な所としては、東海地方では、やはり知立の「無量寿寺」、天然記念物の「小堤西池」。また京都の「太田神社」の池などがある。

画像愛知県の県花であるが、これは「伊勢物語」で「在原業平」が、有名なカキツバタ(杜若)の歌を詠ったとされる場所が、三河国八橋(現在の愛知県知立市八橋とその周辺)であることに由来している。

その由来とは、諸国を行脚している僧が、都から東国へと志す途中に三河国(愛知県)へやってくる。とある沢辺にカキツバタ(杜若)の花が美しく咲いているのに見とれていると、そこへ一人の里女が現れ、ここは八橋という古歌にも詠まれた名所であり、昔、「在原業平」が東下りの際ここで休み、「かきつばた」の五文字を名句の頭に於いて、
「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」という歌を詠んだという故事を教えてくれる。

その上、旅僧を自分の庵に案内し泊ってゆくようにすすめる。やがて、女は初冠(ういかむり)に唐衣を来て、その姿を見せに来るので、僧は驚ろき素姓を尋ねると、女は自分がカキツバタ(杜若)の精であると明かし、また業平は歌舞の菩薩の化現であるので、その詠歌の功徳により非情の草木も成仏したと告げ、さらに「伊勢物語」や業平について語り、舞いを舞って、やがて消えてしまう。と伝えられている。

画像カキツバタ(杜若)を詠んだ和歌を3首
「かきつばた 衣に摺りつけ 大夫の 着襲ひ猟りする 月は来にけり」 大伴家持 万葉集
「吾のみや かく恋すらむ かきつはた につらふ妹は いかにかあるらむ」 詠人知らず 万葉集
「神山や 大田の沢の かきつばた ふかきたのみは 色に見ゆらむ」 藤原俊成

花言葉は幸運、雄弁である。

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