ヒヨドリジョウゴ (鵯上戸)
ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)を以前から見て見たいと思っていた。
近くの神社の境内で偶然にも咲いているのを見つけた。
花びらがぐっと反り返っていて、まるで、追羽根のような形をしたのが、何となく可憐で可愛い。
ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)の名前は、この実を鳥のヒヨドリが好んで食べ、酒飲みの強い人(上戸)が酔って顔が赤くなったところから見立てこの名がついた。古名はホロシ(保呂之)だが、江戸時代にはヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)と呼ばれるようになり、ホロシ(保呂之)は使われなくなった。
併し、現在のヤマホロシ(山保呂之)に当たる植物も混同されてヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)とされていた。やがて両者の違いが判明し、ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)とは別種に当たるものに古名のホロシ(保呂之)をつけようとしたのだが、混乱を避けるために「ヤマ(山)」をつけてヤマホロシ(山保呂之)とされた。尚、園芸品種で外国から取り入れた類似の植物にもヤマホロシ(山保呂之)と言う名前をつけたのでややこしくなった。
なす科ナス属の蔓性の多年草で、学名は「Solanum lyratum」である。属名の「Solanum(ソラナム)」は、ラテン古名の「solamen(安静)」が語源で、この属の植物に「 鎮痛作用を持つものがある」ことからにちなみ、種名の「lyratum」は「頭大サイズの羽裂の」を意味している。
日本全土の山野に分布している。全体に軟らかい毛が沢山生えており、見た感じはフサフサと軟らかい印象を受ける。特に茎に生える軟毛は長くてよく目立っている。蔓性植物といっても、色々なタイプがある。例えば、「アサガオ(朝顔)」のように茎自体が他のものにからまって伸びるもの、「ヘチマ(糸瓜)」や「キュウリ(胡瓜)」のように巻きひげを出してからまるもの、「クレマチス(Clematis)」のように葉っぱの柄の部分(葉柄)をからめて登っていくものなど様々である。「ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)」は、巻き髭は出さず、茎自体を他のものに絡めて伸びていくタイプなのである。
下の方の葉には、アサガオ(朝顔)のような切れ込みがあるが、上の葉になるにつれて切れ込みは少なくなる。花は、8月~9月ごろに、茎から花序が垂れ下がるように出て、直径が1cm程度の白い花を幾つもつける。花序は何段階か枝分かれしているが、それが、2又になったものがまた2又になるっていう感じで、分かれ方も面白い。
なす科の植物は花序のつけ方や花がユニークなものが多いが、ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)の花もまた、個性的で楽しい花である。
5ツに深く裂けた花冠(かかん:白くて花びらに見える部分)の裂片は、後に反り返ってしまい、前方には、雄蕊と雌蕊が突き出した格好になっている。1本の雌蕊は、喰いついて束になったように見える黄色い5本の雄蕊の中央から、長く飛び出している。雄蕊の先は、茶色みを帯びることがあり、形も色彩もとても個性的である。
結実率はよく、花が終わるとすぐに青々とした、清々しい感じの実が目立つようになる。秋も深まると、この果実は真っ赤に熟して艶々してくる。その様子を見るととても美味そうに見えるが、有毒なので注意しなければいけない。皮膚病などには煎じた煮汁を塗るなど、薬効があるそうだが、実を食べるのは危険である。
「ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)」という名前は、鵯がこの赤い果実を好んで食べることからきているが、実際に鵯が食べている様子は余り観察されていないといわれいる。1ツの果実の直径は7~8mm程度だが、冬、葉が枯れた後もこの実は残っているので、よく目立っている。
ぜひ、その美しさとともに、実のつき方にも注目してみてはいかがだろうか。
花言葉は期待、延期である。
ポストカード
近くの神社の境内で偶然にも咲いているのを見つけた。
花びらがぐっと反り返っていて、まるで、追羽根のような形をしたのが、何となく可憐で可愛い。

併し、現在のヤマホロシ(山保呂之)に当たる植物も混同されてヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)とされていた。やがて両者の違いが判明し、ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)とは別種に当たるものに古名のホロシ(保呂之)をつけようとしたのだが、混乱を避けるために「ヤマ(山)」をつけてヤマホロシ(山保呂之)とされた。尚、園芸品種で外国から取り入れた類似の植物にもヤマホロシ(山保呂之)と言う名前をつけたのでややこしくなった。

日本全土の山野に分布している。全体に軟らかい毛が沢山生えており、見た感じはフサフサと軟らかい印象を受ける。特に茎に生える軟毛は長くてよく目立っている。蔓性植物といっても、色々なタイプがある。例えば、「アサガオ(朝顔)」のように茎自体が他のものにからまって伸びるもの、「ヘチマ(糸瓜)」や「キュウリ(胡瓜)」のように巻きひげを出してからまるもの、「クレマチス(Clematis)」のように葉っぱの柄の部分(葉柄)をからめて登っていくものなど様々である。「ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)」は、巻き髭は出さず、茎自体を他のものに絡めて伸びていくタイプなのである。
下の方の葉には、アサガオ(朝顔)のような切れ込みがあるが、上の葉になるにつれて切れ込みは少なくなる。花は、8月~9月ごろに、茎から花序が垂れ下がるように出て、直径が1cm程度の白い花を幾つもつける。花序は何段階か枝分かれしているが、それが、2又になったものがまた2又になるっていう感じで、分かれ方も面白い。

5ツに深く裂けた花冠(かかん:白くて花びらに見える部分)の裂片は、後に反り返ってしまい、前方には、雄蕊と雌蕊が突き出した格好になっている。1本の雌蕊は、喰いついて束になったように見える黄色い5本の雄蕊の中央から、長く飛び出している。雄蕊の先は、茶色みを帯びることがあり、形も色彩もとても個性的である。

「ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)」という名前は、鵯がこの赤い果実を好んで食べることからきているが、実際に鵯が食べている様子は余り観察されていないといわれいる。1ツの果実の直径は7~8mm程度だが、冬、葉が枯れた後もこの実は残っているので、よく目立っている。
ぜひ、その美しさとともに、実のつき方にも注目してみてはいかがだろうか。
花言葉は期待、延期である。
ポストカード
この記事へのコメント
こんな花だったんですね。いつもの場所のヒヨドリジョウゴはすでに小さな実になっていました。また探してみます。ありがとうございました。
ヒヨドリジョウ(鵯上戸)の花の写真だけですが、林から突然垂れ下がるヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)の赤い果実は、とても綺麗でこんな外灯あったっけと思います。テカテカ、キラキラ光っている顔まで写りそうなぐらい輝く丸い玉です。
ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)はヒヨドリが大好きなんだって。本当かなと思います。
ご返事が今になりお詫び致します。