ヒトリシズカ (一人静)

ヒトリシズカ(一人静)は不思議な形をした春の山野草である。

咲いている姿が、源義経の愛妾である静御前が舞う姿に喩えてヒトリシズカ(一人静) と名づけられた。

名前にだまされた という声を聞くこともあるが、咲き始めの清楚な姿は、華やかさとは別の魅力が ある。

画像 ヒトリシズカ(一人静)の名前の由来は、磯禅師の娘であり、平安時代末期の武将である源義経の愛妾でもある静御前が一人で舞う姿を 1 本の花穂に見立ててつけられた。別名は「吉野御前」、ブラシで眉を掃くという意味で「眉掃草」とも呼ばれている。

せんりょう科 チャラン属の多年草で、学名は「Chloranthus japonicus」である。属名の「Chloranthus(クロランサス)」は、ギリシャ語の「chloros(黄緑)と 「anthos(花)」が語源にちなみ、種名の「japonicus」は「日本の」を意味している。

画像北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林の中や林縁、湿った木陰に自生している。

根茎が地中を横に走り、そこから芽を出して沢山の茎を真っ直ぐに直立させている。草丈は20~30cmほどである。茎は紫褐色で節がある。

葉は茎先の各節を囲むように4枚が同じ高さで輪生状に、各節から2枚ずつ向き合って出ている対生をしている。縁には鋸の歯のようなギザギザが斜め前方を向いて揃っている鋸歯がある。若い葉は濃緑色で光沢があって、みずみずしい。


画像葉が完全に開ききる前、茎の先端に穂状花序(細長く伸長する主軸に柄のない花をつける)を伸ばし、とても変わったブラシのような糸状の白い花を1本つける。白い糸状に見える部分は雄蕊の集まりで、花びらや萼はない。1本で生えるのは、まれで、普通は1ヶ所に群がって生えている群生をしている。

春に芽を出して生育し、晩秋に地上部が枯れて、冬は地下の根茎の状態で越す。

画像ヒトリシズカ(一人静)に関わる源義経の愛妾の静御前の物語。
白拍子の名手だった静御前は源義経に寵愛されていたが、義経の兄頼朝の追っ手から逃げるために大和の吉野山で義経と別れて京都へ帰る途中で捕まり、鎌倉へ送られてしまった。静御前は義経の居場所を厳しく尋問されたが、答えなかった。その後、静御前は頼朝に命じられて鶴岡八幡宮の回廊で舞いを舞うことになった。

「吉野山 嶺の白雪 踏み分けて 入りにし人の 跡ぞ恋しき 賤やしづ 賤のおだまき繰り返し 昔を今に なす由もがな」

静御前は頼朝や政子の前で、「私は卑しい身でおだまきを繰っている。義経と一緒にいられた昔の日々に戻ることはできないのでだろうか。」と、義経恋慕の歌を歌いながら舞いを舞った。頼朝は怒ったが、政子が「あなたが流人の身で伊豆にいた時、私も今の静のように一人寂しく慕っていた。」と、とりなした。

静御前は後に義経の子を産んだが、子供は男の子だったので由比ヶ浜に捨てられ、殺されてしまった。その後、静御前は許されて鎌倉から京都へ帰ることができたが、以降の消息ははっきりしておらず、各地に伝説が残っている。

「一人静 坂越し山越し 誰が恋も」 中村草田男

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この記事へのコメント

2018年04月13日 17:27
はじめまして、三和書籍という出版社に勤めております福島と申します。ただ今「花の歌」の本を制作中でして、「一人静」のページにふさわしい写真を探していましたところ、貴ブログの素晴らしいお写真を見つけました。是非、掲載させていただきたくコメントした次第です。なにぶん制作費がすくないため、使用料をお支払いすることが出来ませんで、写真制作者一覧にお名前を記載して、御礼とさせていただいています。よろしければ、お手数をおかけして恐縮ですが、掲載の諾・否をコメントしていただけましたら幸甚と存じます。

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