セキチク (石 竹)

セキチク(石竹)が、雑草に混じり咲いていた。

小さな愛らしい花を、太陽に向かって元気に咲かせていた。
  
画像セキチク(石竹)の名前は岩場で竹の様な葉をつけて咲くのに由来している。別名はカラナデシコ(唐撫子)と呼ばれている。ゴスンセキチク(五寸石竹)、サンズンセキチク(三寸石竹)もあるが、これらは草丈によって区別されている。英名ではチャニーズ ピンク(Chinese pink)、レインボー ピンク(Rainbow pink)とも呼ばれている。

なでしこ科ナデシコ属の多年草で、学名は「Dianthus chinensis」である。属名の「Dianthus(ダイアンサス)は、ギリシャ語の 「Dios(ギリシャ神話の神、ジュピター)とanthos(花)」が語源で、 「ジュピターの花」にちなみ、種名の「chinensis」は「中国の」を意味している。

画像中国(東北、華北、長江流域)や朝鮮が原産で、早くから園芸化されおり、日本には奈良時代に渡来し、江戸時代にはよく観賞用に栽培された。万葉集には「石竹」と書いて「なでしこ」と読ませた歌があり、当時はまだセキチク(石竹)が伝わっていなかったことをうかがわせる。枕草子には「カラナデシコ(唐撫子)」の名が現れており、平安時代になると中国から観賞用のセキチク(石竹)が伝わっていたことが分かるそうだ。

草丈は30~50cm。茎は太く粉白色を帯びて真っ直ぐに立ち、根際から束のように集まって生ずる叢生をしている(基の部分はやや匍匐している)。上の部分は枝分かれしており断面は円形で、下の部分は節の間が短く、毛はなくて艶がある。

葉は茎に対して2ツずつ向かい合って対になってついている対生をしている対生し、カーネーションのように柄はなく、細長く両端が尖り、中央より下が 1番幅が広い披針形で長さは3~5cm、幅は3.5mm、先端はやや尖り、基の部分は狭まって短い鞘となり、節の上を抱いている。周囲は細い歯があるか、或いは、縁が滑らかで凹凸がない全縁である。

画像開花時期は5月~10月頃。茎の頂に花径1センチの紅色や白色の小さい花を1ツか、或るいは束のように集まり傘状に沢山つける。ピンクの濃い色の花や花の中心部分の色が違うものもあり、園芸品種も数多く作出され、花色も豊富である。

萼の下にあって、つぼみを包んでいる小さい苞片4~6ツがあり広い卵形をしており、先端は長く尖り長さは萼管の約半分ある。萼は長さ2~2.5cmで萼の歯は5ツある。花びらは5枚で扇状をした倒卵形で、先端は浅く裂けてギザギザの鋸歯状となっている。喉部分に深い色の斑紋があり、まばらに毛を生じ基部分は長い爪がある。雄蕊は10本、子房上位に1室あって花柱2ツある。蒴果は宿存する萼内に包まれており、先端は4ツに裂けている。

中央部から白い髭状のものが、ひゅるるると伸びているのが とっても不思議である。

画像セキチク(石竹)に関わる伝説。
昔、東国の山道に悪魔の宿る大きな岩があった。この岩は、人が通ると生臭い風をおこし、ときには笑ったり、泣いたり、うめいたりするので、人々を気味悪がらせていた。あるとき、その話を聞いた島田時主という豪傑が、この岩の悪霊退治に出かけ、弓をとり、矢を放って、見事この岩に命中させした。それからは、この巨岩はおとなしくなり悪戯をしなくなった。ただ、岩に刺さった矢は抜けることなく、そのまま花になったという。この花が、なでしこ。石に刺さった矢が花となったので、セキチク(石竹)とも呼ばれている。

平安時代中期の女流作家、清少納言により執筆され たと伝わる随筆の「枕草子」第67段「草の花は」には、「草の花は、ナデシコ(撫子)。から(唐)のはさらなり、やまと(大和)のもいとめでたし」とある。カラナデシコ(唐撫子)からナデシコ(撫子)の語の初めて見るのは「栄華物語」といわれている。また、平安時代後期の歌人で、天治元年に白河院の命により「金葉和歌集」を撰集し、藤原基俊とともに当時の歌壇の中心的存在でもあり、歌風としては、革新的な歌を詠むことで知られた源俊頼がセキチク(石竹)を詠んだ和歌で、「唐国に ありけることは いざ知らず あづまのはてに 生ふるいしたけ」とある。

画像日本で江戸時代に作った品種に、トコナツ(常夏)やシキザキ(四季咲き)、イセナデシコ(伊勢撫子)、 クルイザキ(狂い咲き)がある。ビジョナデシコ(美女撫子)、ヒゲナデシコ(髭撫子)、アメリカナデシコ(亜米利加撫子)の別名は、春先に切り花としてよく使われている。ナデシコ類の学名はダイアンサス(Dianthus)という。ギリシャ神話で「神聖な花」の意味だとも、「天帝の花」の意味だともいわれている。花は小柄だが、集まって咲く様子はとても美しく、その神聖さが「女性の美」と共通しているのだろう。

セキチク(石竹)を詠んだ和歌
「湯上りの 好いた娘が ふくよかに 足の爪剪る 石竹の花」 北原 白秋

花言葉は女性の美、いつも愛して、思慕、純愛、才能、無邪気、粋な愛などである。

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