イワギボウシ (岩擬宝珠)

この日、奥御岳の奥入瀬といわれるロックガーデンに着いたのは午後なってから、この写真の岩場についたときには、陽が山影に隠れようとしていた。

綾広の滝の撮影を一旦終えて、岩に腰かけて休んでいると、丁度イワギボウシ(岩擬宝珠)の花に日が差しているのが目に入った。

たまには情感的な写真も撮ろうと、カメラを向けたのがこの写真である。

画像イワギボウシ(岩擬宝珠)の名前の由来は、日本の昔の木造の橋には欄干があり、この欄干の先端には、葱坊主に似た飾りがついており、これを擬宝珠(ぎぼうしゅ)と呼んだ。山中の湿った岩壁に自生し、この擬宝珠に、ギボウシ(擬宝珠)の蕾が似ていることから、擬宝珠から転訛して、イワギボウシ(岩擬宝珠)の名になったという。

別名をウルイと呼ばれており、ウルイは方言である。春先の若葉が丸まって立つように生えるが、その頃の葉の色がうり類の皮に似ているので、瓜菜(うりな)が転化したのではないかといわれている。ウルイの方が一般名のようになっていて、全国各地に広まって使われている。

画像ユリ科ギボウシ属の多年草で、学名は「Hosta longipes」である。属名の「Hosta」は「オーストリアの医師であるニコラス トーマス(Nicholaus Thomas)博士」の名前にちなみ、種名の「longipes」は「長い柄」を意味している。

日本や朝鮮半島、中国が原産で、日本では本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、山地の湿った岩場や渓谷沿いの岸壁、ときに樹木の幹や枝に着生して自生している。

画像草丈は20~40cmくらいである。根は太い根茎をもち岩場など乾燥にも強い。葉は普通は長さが幅より長く、葉のほぼ中央が最も幅が広い楕円形もしくは葉の中央より付け根寄りが最も幅が広い卵形で厚く、表面には光沢がある。長い葉柄には紫黒色の細かな斑点があり、葉脈は明瞭で、根元からまとまって出ている 。

開花時期は8~9月である。花は40cmくらいの長い花茎を斜めに、ときには下に伸ばして、先端に白淡紫色の漏斗状の花を下向きから横向きに10数個つける。花を構成する萼片(萼)、花弁(花冠)の花被片は6枚である。花の外側を包む部分のことで、多くの総苞片の集まりの苞が開花時に萎れるしのが特徴である。花は美しく、観賞用に広く植栽されている 。

画像各地域に特徴的な変種があり、四国西部と九州にかけてサイコクイワギボウシ(西国岩擬宝珠)、伊豆半島と伊豆諸島にかけてイズイワギボウシ(伊豆岩擬宝珠)、四国東部と近畿地方南部にかけてヒメイワギボウ(姫岩擬宝珠)、西日本にかけてオヒガンギボウシ(お彼岸擬宝珠)が分布している。
 
同じような環境に自生して、イワギボウシ(岩擬宝珠)と同じように栽培するものに、四国南西部と九州に細長い葉と白い花を咲かせるヒュウガギボウシ(日向岩擬宝珠)、葉の裏が白い品種ウラジロヒュウガギボウシ(裏白日向岩擬宝珠)、近畿地方南部と四国には葉脈がざらつくスダレギボウシ(簾擬宝珠)、近畿地方南部と四国東部には花茎が根元から大きく垂れ下がるウナズキギボウシ(頷き擬宝珠)がある。

画像ほかにも全体的に小型のウバタケギボウシ(姥竹擬宝珠)、葉の裏が白く葉柄が赤みを帯びるセトウチギボウシ(瀬戸内擬宝珠)、長さ30~50cmの大きな葉を1~2枚だけつけて、葉の裏が真っ白なウラジロギボウシ(裏白擬宝珠)、四国の高い山に見られるシコクギボウシ(四国擬宝珠)がある。

ギボウシ(擬宝珠)の種類は多く、イワギボウシ(岩擬宝珠)、オオバギボウシ(大葉擬宝珠)、コバギボウシ(小葉擬宝珠)、タチギボウシ(立木擬宝珠,トウギボウシ:唐擬宝珠)、ミズギボウシ(水擬宝珠)などがあり、どれも、食用にするという。

古くから、ウルイの別名で食用として親しまれていて、若葉や花や花柄、葉を採取して、熱湯で茹でてさらして、おひたし、あえもの、揚げ物などや、茹でたものを干して食用として保存されたといわれている。

花言葉は落ち着き、沈静、変わらない思い、静かな人などである。

ポストカード
画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 6

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック