ヤブラン (藪 蘭)

薄紫色の小さな花、ヤブラン(藪蘭)が咲いていた。

そろそろ花は終わりだけど、この花が咲き始めると秋が身近に感じる。

薄紫色の花びらを上に向かい順に咲かせる花より、虎の模様のような班入り(ふいり)の葉のほうが風情がある。

画像昔から、庭園の地面を覆う下草などとして利用されるヤブラン(藪蘭)だが、名前の由来は、ヤブラン(藪蘭)の葉の形がラン(蘭)に似ていることから、藪に咲くラン(蘭)の意味で、「ヤブラン(藪蘭)」と名付けられた。

ゆり科ヤブラン属の常緑の多年草で、学名は「Liriope platyphylla」である。属名の「Liriope(リリオーペ)」は、 ギリシャ神話の女神の名前に由来し、種名の「platyphylla」は「幅広の葉をもつ」を意味している。

画像原産地は日本(北海道南部以南)や朝鮮半島南部、中国、台湾、フィリピンなどに広く分布し、日本全国の山地や浜の林の下などの日陰に自生しているおり、また、庭先や公園、庭園の木々の根元などにアクセントとして植えられことが多い。 日本全土の日当たりの良い野原などに自生しているのは、同じ仲間のヒメヤブラン(姫藪蘭)である。

根元の茎は太く短く堅い木質で、根には髭根が多数あり、根にはところどころに肥大した小さい塊がある。 葉は平たく細長い線状で幅6~15mm、長さ300~500mmで、根元からでて多数が同時に生えて群生している。葉質は少し厚く濃緑色である。

葉は通常緑色だが、緑色地の葉に立状の細長い黄色い筋(条斑)が入っている園芸種は、フイリヤブラン(斑入り藪蘭)という。

画像花は、8~9月に花茎を出し上部は円柱状に、沢山の小さな葡萄の房を逆さにしたような花がまとまってついている花穂となる。 花の色は、紫色で2~5個ずつ集まってついて、日中上向きにほぼ平開して、直径約7mmで、花びらとがくを合わせた花被片は6枚、内側の3枚は少し大きく卵の形をしている。雄蕊6本、雌蕊1本がある。

果実は、球形で直径約7mmで、熟すと黒くなり、種子は果実を破って露出する。

画像ヤブラン(藪蘭)はヤブラン属で、ジャノヒゲ(蛇の髭)はジャノヒゲ属で、ヤブラン(藪蘭)とジャノヒゲ(蛇の髭)は、よく似ているが、大きな違いは、ヤブラン属の雄蕊の葯は尖っていることと、種子がヤブラン属の場合は、いづれも紫黒色であって、ジャノヒゲ属はすべて碧色ですので区別ができる。

ヤブラン(藪蘭)の根を採取し乾燥させたものは、「大葉麦門冬」と呼ばれる生薬である。

大葉麦門冬は、ジャノヒゲ(蛇の髭)の生薬名である「麦門冬」と混同されている場合もあるが、両者は同様の効能をもっており、ジャノヒゲ(蛇の髭)の麦門冬の方が良質とされている。大葉麦門冬は主に漢方に配剤され、滋養強壮作用などをもつ生薬だが、民間薬としても用いられており、咳止めや滋養強壮などに効果があるとされている。

画像別名をヤマスゲ(山菅)と呼んで、ヤマスゲ(山菅)を詠んだ歌は、万葉集には14首(スゲ(菅)を詠んだ歌を含んで)ある。ヤマスゲ(山菅)が何かということについてはいろいろな説がある。

ヤマスゲ(山菅)を詠んだ万葉集の和歌
「山菅の 実ならぬことを 我れに寄せ 言はれし君は 誰れとか寝らむ」 564
「ぬばたまの 黒髪山の 山菅に 小雨降りしき しくしく思ほゆ」 2456
「山菅の 乱れ恋の みせしめつつ 逢はぬ妹かも 年は経につつ」 2474
「あしひきの 山菅の根の ねもころに 我れはぞ恋ふる 君が姿を」 3051
「あしひきの 山菅の根の ねもころに やまず思はば 妹に逢はむかも」 3053
「咲く花は 移ろふ時あり あしひきの 山菅の根し 長くはありけり」 4484

花言葉は謙遜だという。

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