ニ ラ ( 韮 )

ニラ(韮)の花、何て滅多に見ることは出来ないだろう。

公園の花壇には、数年前に植えたニラ(韮)が今でも残っている。

とても食べられそうにもない。貧相な葉っぱしか出来ないのに、匂いは強烈だ。

画像ニラ(韮)。名前の由来は古名は、古事記ではカミラ(加美良)、本草和名はコミラ(古美良)、万葉集はククミラ(久君美良)といわれており、また、ニンニク(大蒜)の古名の「オオミラ(大美辣)」に対してニラ(韮)を「コミラ(小美辣)」と称していたのを、これらの呼び名が簡略され「ミラ(美辣)」となり、それが転訛して「ニラ(韮)」となった。その共通の「ミラ」の意味は食べると美味しいことを「ミラ(美辣)」といった。

ゆり科ネギ属の多年草で、学名は「Allium tuberosum」である。属名のAllium(アリウム)は、「ニンニク(大蒜)」の古いラテン名で「匂い」の語源にちなみ、種名の「tuberosum」は「塊茎のある、塊茎状の」を意味している。

中国西部で原産、東アジアに広く分布し、中国、フィリピン、インド、インドネシア、台湾、日本などで栽培されて、ヨーロッパやアメリカでは利用されていない。

画像特に中国では古くから野菜として栽培され、後漢時代の「四民月令」には葉も花も利用できると記載されている。日本では弥生時代に渡来したともいわれ、 自生していたと云う説もあり定かではない。平安時代に入ると栽培されていたようで、最初は薬用とし粥に混ぜて利用した程度といわれている。

江戸時代になると、農業全書の中でニラ(韮)は昔から有名な作物で、人々から賞味されていて陽起草ともいい人の栄養を助け、身体を温める性質の良い野菜であると書いてある。この時代になると重要な野菜の1ツとなり、栽培法や利用法、効用に関する記載も多く見られるようになってきているが、依然として大量に用いるものではなかったので庭先や、畑の隅に、畑の縁の土留めを兼ねて植えられる程度で少量ずつ栽培、利用されていたようである。

但し、本州や九州で河原や草地に生えているものなどは自生種だともいわれている。

開花時期は8月下旬~10月下旬頃。長い花茎の先に小さく清潔感のある真っ白の花を沢山つける。花自体にはニラ(韮)の匂いはない。食用ではなく花を見るために栽培してもいいほど綺麗である。花びらは6枚に見えるが、3枚の花弁と3枚の苞からできていて、非常に整った形をしている。ゆり科の多年草だが、種子でもよく増える。子供の頃、庭先でも勝手に生えて毎年花を咲かせ年々増えていた。

画像画像話は変わりニラ(韮)に関わる中国の昔話 「百鳥衣(1丈2尺のニラ(韮)と8尺のネギ(葱)」 
ある男が美しい女性と結婚していたが、毎日妻に見惚れているばかりで仕事をしなかった。妻は夫に自分の姿を紙に写させ、その絵姿を見ながら畑仕事をするようにいつた。夫は妻の言う通りにして妻の絵姿を眺めながら畑仕事をするようになり、2人は仲良く幸せに暮らしていた。

ところが或る日、妻の絵姿が風で飛ばされ皇帝の宮殿へ落ちた。皇帝は絵姿の美しい女性と結婚したいと思い、とうとう捜し出して無理矢理宮殿へ連れてきた。連れ去られる前に妻は夫にいった。「私は皇帝と結婚するつもりはない。あなたは私の言う通りにして欲しい。雀百羽の皮をはぎ合わせて百鳥衣を作って欲しいといった。

それから家畜の糞をこねて龍の頭を造り、ネギ(葱)を8尺、ニラ(韮)を1丈2尺に育て、龍の頭を被り百鳥衣を着て、そのネギ(葱)とニラ(韮)を担いで皇宮に売りに来て欲しい」皇帝は絵姿の女と結婚式を挙げようとしたが、女は嫌がり毎日不機嫌な顔ばかりしていた。

画像夫は妻に言われたものの準備が整うと皇宮の門へ行き、「1丈2尺のニラ(韮)、8尺のネギ(葱)はいらんかね」と大声を出した。妻は皇帝に「そんなに長いニラ(韮)やネギ(葱)があるなら見てみたい」といい、野菜売りに変装した夫を皇宮へ入れさせた。妻は皇帝に「1丈2尺のニラ(韮)、8尺のネギ(葱)も凄いけれど、あの野菜売りの衣装はあなたの服よりずっと素敵だわ」といった。

皇帝は女を喜ばせるために、自分と野菜売りの衣装を交換させた。すると妻はすかさず大声で家来達を呼び、皇帝を指さして「この妖怪を退治して欲しい」といった。家来達は龍の頭と百鳥衣を身につけた皇帝を妖怪と思い込み、殺して埋めてしまった。夫は皇帝になり夫婦仲良く幸せに暮らしたという。

東北本線にある「雀の宮駅」の名前の由来。
昔、下野の国の田舎に饅頭の丸飲みを得意とする男がいた。或る日、悪友達が悪戯心を起こし、中に針を仕込んだ饅頭を彼に飲み込ませた。男はひどい腹痛で寝込むようになった。男が激痛に呻きながらふと庭を見ると、一羽の雀がしきりにニラ(韮)の葉を食べていた。そして2、3日後、雀はニラ(韮)の葉に包まれた針の入った糞をした。男が雀の真似をして大量のニラ(韮)を食べたところ、翌日、ニラ(韮)の葉に包まれた針が排泄されて男の腹痛が治りた。男は命の恩人の雀に感謝し小さな社を建てて祀った。それが「雀の宮」で宇都宮市に地名として残った。

画像万葉集では1首が詠われており、
「久君美良 我れ摘めど 籠にも満たなふ 背(せ)なと摘まさね」 読人知らず
歌の意味は、「伎波都久の岡に茎韮を摘みに来たけれど、籠はぜんぜん一杯になりませんよ。じゃあ、あの人と一緒に摘みなさいね」で、東歌の1つで茎韮(くくみら)を摘みに来た菜摘女(当時、野菜は栽培されておらず山野の野草を採取する女性を貴人たちは雇っていた)が詠ったものだ。また、漢字表記は漢名の「ニラ(韮)」をあてたものである。

根元のところから生えてる葉っぱが食べられちぎるとニラ(韮)独特の匂いする。ネギ(葱)の1種で、ビタミンAとカロチンを多く含み、消化を助け、風邪の予防効果もある。強壮や興奮などの目的で漢方処方に配剤され、ほかに夜尿症や胃腸薬などにも用いられ、また、葉は止血や解毒、去痰、食用に使用されている。

花言葉は多幸である。

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