ボ ケ (木 瓜)

花びらがふんわりとして色もとても上品で美しい花なのに、名前がいささか気の毒なボケ(木瓜)である。

こんなに可愛く可憐な花を沢山付けて、しっかり自分を主張しているのに………。 誰が付けたのかボケ(木瓜)の名前なんて………。だがまてよ、しなやかな細い枝に凛と咲いていた筈、でも、それを今になって気が付いた。ちょっと呆けているかも知れない。

でもいいや、目立たなくても静かに、優しく咲いていてくれるボケ(木瓜)の花を急に誉めてあげたくなった。

画像「ボケ」は漢字で書くと「木瓜」。これは果実の形が瓜(ウリ)の形によく似ているところからボケ(木瓜)。初めは「木瓜」を「モッケ」と呼んでいたが、それが次第に「もけ」が木瓜(ぼけ)に転訛していき「ボケ」になったと言われている。「ボックヮ」が「ボケ」になったという説もある。

ばら科ボケ属の落葉低木で、学名は「Chaenomeles speciosa」である。属名の「Chaenomeles(カエノメレス)」は、ギリシャ語の「chaino(開ける)」と「melon(リンゴ)」が 語源で、「裂けたリンゴ」の意味にちなみ、種名の「speciosa」は、「美しい、華やかな」を意味している。

中国原産で平安時代に日本に渡来した。庭木や盆栽としてよく栽培されていて、日本に自生する「クサボケ(草木瓜)」との交配などにより、様々な園芸品種がつくられている。

画像日当たりのよい林縁部などに生えていて、高さは余り大きくはならないが、時に1mほどになっていることがある。茎の下の方が地面を這っていて、「地下茎ができる」という点で、ボケ(木瓜)と大きく違っている。「クサ(草)」とついているが落葉低木である。

高さは品種によりも違うが、だいたい2~3m。根元から沢山の枝が伸びてきて、株立ち状になっている。小枝はときに、かなり鋭い刺となっているので注意を要する。写真を撮ったときには、まだ余り葉が展開していなかったので、刺がすごく目立ち見ているだけでも痛そうだった。葉は楕円形よりも細長く高さが幅より3~4倍くらいあるもの長楕円形で、縁には細かい鋸の歯のようなギザギザが斜め前方を向いて揃っている鋸歯があり、質は硬めで、表面は濃くまるでワックスでもかっかっているような光沢がある。

画像開花時期は3月~4月ごろ。花は前年の枝に数個固まって咲く。色は朱赤色やピンク、白などがある。普通は丸みのある花びらが5枚。八重咲きや絞り、咲き分けの品種もある。花の直径は2~3cmほど。秋から咲き出して冬の間も咲いているものは、とくに「カンボケ(寒木瓜)」と呼ばれて、「報春の花」としても知られている。

果実は長さ10cm近く、直径7cmにもなり、瓜のような形であることから「木瓜」といい、この読みが転じて、「ボケ」となったといわれている。果実は黄色に熟して甘い香りを放つ。そのままでは堅く渋いので、生食には向かないのですが、果実酒にしてよく利用されている。

画像話は変わってボケ(木瓜)に関わる中国の伝説。
洛陽で学んだ1人の青年が隴西に帰る途中、お金が足りなくなった。お腹をすかせた青年は大きな邸宅を見つけ、食事を食べさせてくれるように頼んだ。邸宅の庭の木々には小さな実がなっていた。邸宅の美しい女主人は青年に素晴らしい食事をご馳走すると次のようにいった。「私は秦の閔王の娘で曹国に嫁いだが、夫に離別されてしまった。それから23年、訪れてくれる方もなく、ずっと1人で暮していた。今日初めて貴方の訪問を受けたのも何かの縁。どうか私と夫婦になってほしい。」といった。

青年は女主人と3日3晩を過ごしたが、4日目の朝に、女主人は青年にいった。「もっとあなたと過ごしたいが、あなたに禍が起こるといけないのでお別れしないといけない。」といい、そして、女主人は青年に、真心の印として庭の木の実を1ツと、旅先の食糧として粟の入った袋を渡した。女主人と別れて邸宅の門を出た青年が振り返ると、そこには邸宅はなく、草原の中に墓が1ツあるだけだった。

青年は隴西に戻ると女主人にもらった木の実を蒔いた。やがて、実は芽を出して木に育ち、紅白の花を咲かせるようになっが、その花には香りがなかった。青年の話しと花の噂を聞いた皇后は、その花を1枝を所望して一目見るなり、若くして死んだ末娘の着物の柄と同じだということに気づいた。青年は娘婿として官位を与えられた。

画像明治時代の文豪である「夏目漱石」が著した「草枕」にボケ(木瓜)のことが描かれている。
「木瓜は面白い花である。枝は頑固で、かつて曲った事がない。そんなら真直かと云ふと、決して真直でもない。只真直な短かい枝に真直な短かい枝が、ある角度で衝突して、斜に構へつつ全体が出来上って居る。そこへ、紅だか白だか要領を得ぬ花が安閑と咲く。柔らかい葉さへちらちらつける。評して見ると木瓜は花の中で愚にして悟ったものであろう。世間には拙を守ると云ふ人がある。この人が来世に生まれ変わると、きっと、木瓜になる。余も木瓜になりたい」と描かれている。

有吉佐和子の作品の1つに「木瓜の花」がある。これは同じ作者による「芝桜」の続編である。「芝桜」では全盛期の花柳界を舞台に、真面目な主人公の正子と奔放な蔦代という2人の芸者を対比させて人生模様が描かれている。「木瓜の花」では、正子は旅館の女将として堅実な生活をしているが、相変わらず、蔦代との腐れ縁が描かれている。

ボケ(木瓜)を詠んだ俳句
「木瓜咲くや 漱石拙を 守るべく」 夏目漱石
「木瓜の雨 ほのかに鯉の 朱もうかぶ」 水原秋桜子

花言葉は熱情、平凡、妖精の輝き、魅感的な恋 、指導者、先駆者である。

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