セイタカアワダチソウ (背高泡立草)

セイタカアワダチソウ(背高泡立草)があちこちで咲いていた。

これほど名の知れた野草がほかにあるだろうか。この季節になると空き地や草むらに群生する黄色い花が気になってしょうがない。

この花は余り好きではない。あの毒々しい黄色も嫌だし、房のような形状も、鱗粉にまみれた蛾の胴体を思い起こさせる。だからもともとは観賞用だったと知って少し驚いた。

画像「人類SOS」という古いSF映画があった。宇宙からやってきた食肉植物が人間を襲うというもので、セイタカアワダチソウ(背高泡立草)を見る度に、この映画を思い出す。雑草の中から、まるで爪先立ちするように一際高く背を伸ばすその姿が、獲物を物色するエイリアンのように思えて仕方ない。あの黄色い大群が、ワサワサと揺れだして襲いかかって来るような気がしてしまう。

セイタカアワダチソウ(背高泡立草)の名前は、花を酒を醸造するときの泡立ちに見立てて、更に同じ属のアキノキリンソウ(秋の麒麟草)の別名であるアワダチソウ(泡立草)よりも草丈が高いのに由来する。草木染に利用されることもあり、染めるために煮立てると名前の通りに泡が立つらしい。色々な「泡立ち」がある。和名の由来は、同じ属のアキノキリンソウ(秋の麒麟草)の別名であるアワダチソウ(泡立草)よりも草丈が高いことによる。


画像きく科アキノキリンソウ属の多年草で、学名は「Solidago altissima」である。属名の「Solidago(ソリダーゴ)」は、ラテン語の「solidus(完全な)」と「ago(導く)」が語源で、「傷薬として使用されていたこと」からにちなみ、種名の「altissima」は「非常に丈の高い」を意味している。

セイタカアワダチソウ(背高泡立草)。これほど名の知れた野草がほかにあるだろうか。北アメリカが原産で、明治30年ごろに渡来し、もともとは、観賞用に栽培されていたものが野生化したものだといわれている。急速に広がったのは第2次世界大戦の後で、蜜源植物として優秀であるので、養蜂業者が積極的に種子を散布したとの話もある。河原や土手、荒れ地、空き地などに自生している。


画像草丈は1.5~2.5mを越えることもあり、断面は円形で毛がある。茎はなかなか丈夫であり、ニュー萩という名前で袖垣などに加工されたりする。葉は細長くて両端がとがり、中央より下部に一番幅の広いところがある被針形で、ほとんど茎につく葉の柄の部分の葉柄はなく、長さ20cmほどになる。葉の表面には微細な凹凸があり、ざらつく。裏面脈上には微毛がある。

開花時期は10月上旬~11月下旬ごろ、茎の頂部分から沢山の枝を出し円錐形の茎への花の集まっている部分の花序となって、そこには直径5~6mmの黄色い幾つもの小さい花が集まった頭花を大量につけている。。

頭花の数は小さいもので数100個、大きい個体では3~40,000個だといわれている。受精は昆虫の訪問によるものが大部分を占めるので、虫媒花(ちゅうばいか)といえるが、これだけ大量の花をつけるので、花粉が空中を舞うこともあり風媒花のような部分があるのも事実のようである。


画像多年生でもあり、地下部からアレロパシーという物質を分泌し、種子の発芽を抑制している。このために、純群落を形成して繁茂することになりやすい。空き地や放棄畑などに繁茂して大群落することや、花粉アレルギーの元凶であるなどの濡れ衣を着せられたこともあり、嫌われる植物の1ツになってしまった。

大量の花の1ツから50,000個もの種子がつくられるとか。種子には少し濁った色の綿毛があり、風に乗り種子が運ばれ分布を広げている。そして、1ツの種子から発芽したものは、長い地下茎を伸ばして数10個ものロゼットを出して冬を越すのだという。

更に、根からは植物の発芽を抑える物質を出して、ほかの植物が生育できなくなる「他感作用」により、ほかの植物を寄せ付けず旺盛に繁殖していく。そのため、広範囲に裸地化し放置されている場所で種子が発芽すれば瞬く間にセイタカアワダチソウの大群落ができてしまう。


画像併し、大群落も長くは続きしない。セイタカアワダチソウ(背高泡立草)の「他感作用」は、自分の種子の発芽まで抑えている。今そこにある個体の寿命がくればその場所では、それ以上新しいものが作れずに消えていくことになる。そしてまた別の裸地に種子が到着すれば、そこで一旦は定着して大群落を形成し、また消えていくということを繰り返す、そんな放浪する旅人のような植物なのである。

セイタカアワダチソウ(背高泡立草)に関わるエピソード。
生物に詳しい昭和天皇が、昭和50(1978)年、訪米した折に、「お国のセイタカアワダチソウ(背高泡立草)が、日本の土地を荒らして大変困っている」とアメリカ合衆国のフォード大統領にいったところ、「それはそれは、貴国の自動車がアメリカ市場を荒らして困っている」と切り返されたということを、当時の入江侍従長が何かの対談で話しているのを聞いたことがある。ともに悪役イメージである。

花言葉はその元気の良さから「生命力」である。


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