イタドリ (虎 杖)

公園の生垣沿いにイタドリ(虎杖)が咲いていた。

花の時期は過ぎていたが、ややクリーム色を帯びた白い花が咲いている。イタドリ(虎杖)は、人里から山地まであらゆるところに、荒地や崩壊地、また、土手などに生えているのを見ることが出来る。

若い茎はスカンポとして子供のおやつにされた時代もあった。また、山菜として子供のころよく食べたことを覚えている。

画像イタドリ(虎杖)の名前の由来は、表皮から糸状のものを採るので、「いとどり(糸取)」と呼ばれ、次第に転化して「いたどり」になった。漢字の「虎杖(いたどり)」は漢名で、「杖」は茎で、「虎」は若い芽にある紅紫色の斑点が虎の斑模様の皮に似ているところからきている。

たで科タデ属の多年草で、学名は「Polygonum cuspidatum」である。属名の「Polygonum(ポリゴナム)」は、ギリシャ語の「polys(多い)」と「gonu(節)」が語源で、「茎の節が膨らんで関節のように見える」ことに由来する。種名の「cuspidatum」は「急に尖った」を意味している。

画像原産地は東南アジアで、北海道西部以南の日本各地に分布し、朝鮮・中国・台湾にも分布している。高さ2m近くにもなる。茎は太く、中空で春に出始めた茎を折り取り、生食したり、漬け物にしたりする。中空の茎を折り取る際に、ポコンと音がし、食べると酸っぱいので「スカンポ」とか「カッポン」などと呼ばれたりもする。
 
日当たりのよい路傍や荒地までさまざまな場所に生育するが、肥沃な場所では大きく成長し、枝分かれして枝先は垂れ下がる。このような場所に生育するイタドリ(虎杖)は若い茎を食べることが出来る。刈り取りされる場所でも生育が見られ、強い植物である。このような旺盛な生活力は地下に伸びる太い地下茎のためであり、地下茎を伸ばして崩落地などでいち早く群落を形成する。

大きめの葉に白い花。花は夏から秋にかけて咲く。秋に、ブドウ(葡萄)のタネみたいな実がなり、実が赤い品種もあるようだ。若芽と茎は酸味があり食用になり、地下茎は薬用になる。

画像イタドリ(虎杖)に関わる逸話や由来。
「日本書紀」での話にはこのような逸話がある。瑞歯別尊(みずはわけのみこと。反正天皇)は淡路宮で生まれた。生まれながらに歯が1本の骨のようであり、麗しい容姿をしていた。ここに瑞井という井戸があり、その水を汲んで皇太子を洗った。その時、多遅(たじ)の花が井戸の中に落ちたので、皇太子の名前とした。多遅(たじ)の花は今のイタドリ(虎杖)の花のことである。それで皇太子は多遅比瑞歯別(たじひみずはわけ)皇子と呼ばれるようになった。

イタドリ(虎杖)の古名の1ツ「さいたづま」の由来。
或る人の娘、イタドリ(虎杖)を摘み出でて、うたた草の美しきにや愛でけん、明日にまた来るなんと約束して、袋をきせ置て帰りぬ。行きて明日見れば、1夜の間に葉びろになりて、きのふ見しかたちはなかりければ、袋を取りて歌をよめり、
「きのふ見し 沢の虎杖 けふははや 葉びろになりぬ 衣たべ君」
是より、さいた妻(づま)といふか、と伝わっている。

画像文学や故事に描かれているイタドリ(虎杖)
さすがに才媛といわれる清少納言は、「枕草子」に、「みるにことなる事なきもの、文字に書きてことごとしき」ものの1ツに、「いたどりはまいて、とらのつえと書きたると、つえなくともありぬべき顔つきを」と書いている。見た目には格別な事がないのに、文字に書くと大げさなものになる例にイタドリ、虎の杖と書いているといっている。虎は杖がなくてもよさそうな顔をしていると皮肉っているのは面白い。

貴船神社で毎年6月1日に行われる水神をたたえる貴船祭は、明治維新以前に旧暦の4月1日と11月1日の年2回行われていた御更衣祭が起源である。4月の祭り頃には付近の山間にイタドリ(虎杖)が繁茂し、神職達が摘んで数を競い合ったことから虎杖祭とも呼ばれていたそうである。

花言葉は回復である。

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